Q1. あなたが「これだけは描かず(作らず)にはいられない」という衝動や、作品に繰り返し現れるテーマ(モチーフ)は何ですか?
私が描かずにはいられないのは、「存在の気配」です。
呼吸を整え、身体の感覚に耳を澄ませていると、言葉になる前の感情や記憶、まだ形を持たない存在が立ち上がってきます。その一瞬を線や色として画面に留めたいという衝動が、私の制作の原動力です。
Q2. あなたの作品を見た人に、どんな感情を抱いてほしいですか? または、どんな空間(部屋、場所)に飾ってほしいですか?
作品を通して、何か特定の感情を与えたいというよりも、作品を通して、見る人自身の内側にある感覚や記憶に触れるような体験が生まれること。
作品が、見る人それぞれの身体感覚や記憶と響き合う場になればと思っています。
Q3. あなたが制作のインスピレーションを受けるもの(自然、音楽、特定の哲学、日常の違和感など)と、それがどう作品に影響しているかを教えてください。
制作の出発点にあるのは、自分自身の呼吸や身体感覚です。
呼吸のリズムや身体の動き、時には音楽から生まれる身体の律動に身を委ねながら、その瞬間にしか生まれない感覚を画面へ重ねています。
制作中は、自分の内側へ深く意識が向かい、身体の感覚が研ぎ澄まされていくような感覚があります。その感覚が、色や痕跡、画面のリズムとして現れていきます。
Q4. 制作において「これだけは絶対にやらない(魂を売らない)」と決めているマイルールや、一番大切にしている「美学」は何ですか?
作品を「正解」に近づけようとはしないことです。
頭で整えすぎると、その瞬間にしか現れない身体の感覚や呼吸が失われてしまいます。完成よりも、その時にしか生まれない痕跡を信じることを大切にしています。